AIからアクションで書き出したPDFがRGBになる
流用データで作成すると、本当に困ったもんだと、毎月数回思う最近。オブジェクトがトンボからずれていたり、レイヤーが謎だったり、人によって違うので、途中から修正というのは、リスクがつきもの。
今回は、見開きのページが1つずつのイラレ:AIデータをPDFに書き出す時のお話。
- InDisignに各ファイルをリンクしているので、提出の時はInDesignからPDF/X-4を書き出し
- 入稿時はアウトラインをかけるので、それと一緒にPDF書き出しをアクションにしてバッチ処理
これをしたところ、OKとなったPDFと、アウトラインPDFを検版すると、どうも色が違う。下図はサンプルで、左がアクションで書き出したPDF、右が別名保存で書き出したPDF。並べるとわかりにくいけれど、検版すると違うのです。
入稿データはAIだからよいものの、これがPDF入稿だったら良くないなと思い、原因追求を開始。
- AIの問題
- InDesignの問題
- Acrobatの問題
いずれも問題はなさそうだった。Acrobat上の表示が異なるので、プロパティから「その他のメタデータ」の詳細を見比べると、どうも2行違う文字があったので、データ的に何かが違うと、気づくきっかけになった。
Acrobat上なので、スポイトでインクのカラーを、、、と出力プレビューにした途端、色が変わって驚き。
完全にRGBカラー!目が痛い。。ということは、やはりPDFに問題があるということで、帰宅後も捜査を継続。
原因追求
プレビューの何が違うといえば、シミュレーションプロファイルが、このPDF/X-4もどきは、「出力インテント:CGATS TR 001」となっている。
出力インテントとは?ということで、みてみると、最終的にPDFを表示させる色の設定のよう。
初級者には難しいので、「イラレ アクション PDF インテント」で検索すると、最初にヒット。全く同じことをしている方がいらっしゃったので、食いついて読む。
Illustratorでアクション登録してPDF/X4に書き出すと、エラーになる
回答が得られた今、読むことが出来てよかった。これより早い段階だったら迷子だったでしょう。感謝します。
ということで、アクションから書き出したPDFはX-4になりすまし、実際PDF/X-4の準拠となっていないことが発覚。アクションの書き出し時に問題があった。
こんなことを知ってしまうと、PDF/X-4だと思っていても、表面上の違和感に気づかないと、入稿用PDFとして扱えなくなるわけで、大問題なんじゃないかと思う。化けの皮をはがすとは、まさにこんな状況。
PDF/X-4書き出し時は、ICCプロファイルを埋め込まないといけない。アクションのPDF設定で指定したPDF/X-4が反映されないのは不思議。AIファイル自体にICCプロファイルを埋め込まなくてはならない。
アクションでPDF/X-4を書き出す時はICCプロファイルを含めたAIから
AIファイルのICCプロファイルはチェックを入れない方がいいと思っていたけれど、今回のように必要な場合は、必須。
今後、ページもののAIは、アウトライン済みデータを再度InDesignにリンクして、ファイルを書き出した方が確実。または、アクションを使う場合は「ICCプロファイルの埋め込む」にチェックを入れておく、いや基本的に入れておくべきかもしれない。
AIデータが一つならいいけど、ページごとなので、修正やアウトラインごとに再度リンクの設定をするのは面倒臭い。。。(いっそ、一つのAIにまとめてしまった方がいいかもしれない。)
アウトラインをかけなければ、アウトライン前後でInDesignを作る手間がないのに、本当に面倒くさいなぁ。。。。。面倒くさいから今回バッチで処理したのに、きちんと出来ていなかった。
ちなみにPDF/X-1aだとICCプロファイルを埋め込む必要はないこともあってか、問題なし。
PDF=アウトライン神話、どうにかならないのだろうか。。。
しれっとアウトラインをかけずに入稿しても良さそうだけど、印刷会社さんから「かかってません!」とかなる可能性もあり、困りもの。
ページもののアウトラインを想定したデータは、
- 一つのAIファイル内に、複数アートボードで作成
- アウトラインAIを、InDesignに再リンク
どちらかになる。ただ、前者で作っておけば、後者の再リンクも一つのファイルのリンクを変更するだけなので楽ちん。
もし最後にAIファイルは1個ずつと言われたら、アートボードごとにファイルを分割すればよいだけ。(アートボード名を適切につける必要がある)
なるだけ手間を減らし、リスクも減らしたい。
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