自分で分解・張替え
数年前に購入したコート。一部が擦り切れて一時的に隠したものの、見栄えが良くない・恥ずかしい。
擦り切れた現状。
同じものはもう売っていないし、裏地のためだけに買替はコストがかかるし、お店に張替え依頼すると1万円以上かかり、悩ましいところ。ならば、思い切って自分で張替えに挑戦しようと思ったけれど、やり方が全くわからない。修理と、コートなんて大物を扱ったことがない。
色々検索するも、お店で張り替えました、という紹介写真だけだったり、経験談はコートの形が違う。いっそコートの作り方が分かれば、と本を片っ端から読んでみるも、同じ形がない。参考になった唯一のサイトはこちらのYouTube。
返し口から分解していくことと、張替えは裏地を縫い合わせるくらいでいけるのかな、とイメージ練習になり、不安が少し減った。助かりました。
ちなみに擦り切れた原因は、ニューヨークに行った時、アウターがこれだけだったため、数日間毎日、リュックを背負って歩きまくったことが最大の原因。
裏地の交換方法がないので、備忘録として。ただ正しいやり方ではないのと、もちろん自分の責任で。
必要なもの
- 糸:コート用#50、普通の糸(こちらでほとんど縫い上げる)
- ミシン針:コート用14-16、普通用
- 裏地:今回は元のと同じキュプラ
分解
分解前、戻せないと心配なので、まず縫い目をぐるっと1周録画。その後も、適宜、録画・撮影して記録を残しておく。
返し口は襟でした。
恐ろしいので、必要な分だけ糸を外す。
さらに袖も外す。参考YouTubeとは異なり、ここは個別に縫ってある。外(袖)は手縫い、中(裏地)はミシン。その後全体を裏返す。
裏返して気づいたのは、一部コートと裏地を、ゆるく固定してあり、ポケットや襟などをロックミシンとかで縫ってある。
さらに、こちらの縫い方が不明。こんなステッチは家庭用ミシンにはないので、なるだけ分解部分を縮小する方向に変更。
ということで、すり減った、下図のグレー部分のみの裏地を交換することにした。
全部張り替えるつもりだったため、幸い似た色の生地を準備していたので、一部張替えでも問題なし。
張替え部分の裏地のみ外したところ。解体はここまで。
解体して気付いたのは、クリーニングに出していても結構汚れがある。
裏地の型取り
キュプラにチャコペーパーの色がつかないので、このまま型としてトレース。縫い目(折り目)と縫い代をトレース。さらに、「キセ:ゆとり」のために折り目はアイロンでしっかりつけ、折り目の内側を縫うことで確保する。
裏地を縫う
まず背中心を縫い合わせる。縫い目とキセの具合は、元々の生地の縫い後を参考にする。
肩の部分をコート・他の裏地と縫い合わせる。
ベンツの部分を縫い合わせる。コート生地を縫う時、意外とコート用の太い糸ではなく、普通用の細いものを多く使っていたことと、太いと結構目立つ。
脇下部分を縫い合わせる。
下の部分を縫い合わせ、角なども処理する。
ひっくり返して、脇下の一部が裏地と固定されているので、数針縫う。腋下から引っ張り出して縫い合わせ。
ベンツの内側の端を縫う。
脇の部分をまとめて縫う。ここでようやくコート用の針と糸。おさえは、あげた状態からさらにあげると、厚手の生地が入ると、今回初めて知った。。少しずれたけれど、見えないので問題なし。
袖の裏地を手縫いで縫う。
完成。ぱっと見では分からないくらい、なかなかよし。一番大変だったのは、タグの縫い糸が綺麗に均等にならないこと。手縫いの部分は技術が出てしまう。。
本来の生地と似ているけれど、今回のキュプラはシワがつきやすい感じのもので、目立つような。でも裏地を人様に見せることはないので、問題なし。
トータル、6時間くらい。コストは5,000円かからなかったので、お財布に優しくできて満足。
また、コートの作りを知ることができたと同時に、袖の汚れが気になり、シーズンが終わったら袖の裏地を交換したい。袖は、今回ほど影響はないので、もう少し容易にできそうな気がする。
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