• リハビリテーション科の業績の出し方⑤病棟別

    2020/06/11
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  • 病棟別を出すと必要人数が分かる

    これまで、診療科別を出してきましたが、リハビリスタッフの人員配置数を把握したい場合は、個人的には病棟別の統計を出すと便利だなと感じました。というのは、病棟別の統計は、病床数は変化しない固定対象なので、患者さんの入退院つまりは病棟稼働率を割り出すことが出来ます。それにより、リハの病棟稼動率が分かれば、その病棟に何人ほど配置すれば病棟をカバーすることができるかが分かるので、必要人数を割り出すことが出来ます。

     

    もちろん、リハビリの稼働率も流動的ではありますが、病棟別がポイントで、病棟別=疾患が偏ることから、稼働率もさほど違いはないと思います。リハ病棟と呼吸器病棟といったように、病棟ごとに診療科がまとまっていれば計算しやすいです。一方、混合病棟のような病床配置をされている病院では、この方法は適応していません。

    病棟別業績の出し方

    ①病棟別リハビリ稼働率

    リハビリ稼働率という名にしましたが、病床数に対するリハビリ対象患者数を計算します。そのために、月別統計の、「病棟別」の統計をリハビリシステムから抽出します。

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    病棟ごと、PT/OT/ST別とその合計の患者数や単位数が表示されれば、シートにまとめます。

    基本操作と同じく、別のシートに整頓するためにセルを指定します。ここではA病棟のその月の実施患者数合計(件数)のセル、上図の生データで該当するセルを指定しています。ここで気をつけるのは、「実患者数」です。リハビリシステムの設定にもよりますが、延べ人数の数え方が設定によって異なるので取説を確認した方がよいです。

     

    実患者数は、実際にリハビリを受けた患者数で、延患者数は1日にリハビリを受けた患者数といった感じで、患者数のカウントが異なります。同じ患者さんが1日に2回受けた場合、実患者数としては1ですが、延患者数では2とカウントされます。

    現在知りたいのは、病床数に対する患者数なので、実患者数で計算します。

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    そして月ごとの数が揃ったら、該当月の列に「値」を貼り付けます(値を貼り付けないと数式が貼り付きますので)。実際のデータはさすがに持ち出せないので、上図でいう空白になっているところです。

     

    そして、上図の中段の%が並んでいるところ、ここは自動計算にすると楽です。該当月に値を貼り付けていくだけで、勝手にリハビリ病棟稼働率が算出されます。自動計算をするために、各病棟の病床数を一覧にしておきます。上図の下段のエリアです。

    式は、リハビリ病棟稼働率=リハビリ実患者数合計/病床数です。

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    A病棟の1月のリハ稼働率を出す場合は、A病棟の(1月のリハ実施患者数/20床)%となります。セルの表示設定を%にしておけば、×100にしなくても、自動で%と表示してくれます。

     

    以上が病棟別リハ稼働率の算出になります。これをPT/OT/ST別にしたい場合は、実患者数合計の部分を各療法の実患者数合計件数に指定することで、療法区分別の稼働率を割り出すことも可能です。その方が人員配置には役立ちます。

    呼吸器の病棟ではPT/STは介入が多いけれど、OTは少ないと肌では分かっていても実際どれくらい違うかを数値化することで、他部門へ伝えやすくなりますし、また人員配置としてOTの配置人数は少なくて良いと分かれば、具体的に必要な人数を割り出すことが出来ます。

     

    人員配置の割り出し方は、また別にまとめます。

    ②病棟別リハビリ業績

    同じデータで病棟別の業績=単位数を出すことも出来ます。こちらは人員配置の補助的材料にはなると思います。

    先程のリハビリシステムから抽出した生データの、単位の部分を使用します。病棟別の該当月の合計単位数のセルを指定し、整頓シートに反映させます。

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    年間の単位数合計が揃った際に、病棟の平均合計単位数を計算します。(上図ではC列が各病棟の平均値)

    そして、全病棟の合計平均単位数で各病棟の平均単位数を割ると、年間の病棟別単位数率が算出されます。(平均を平均で割るのは、統計的によろしくなかったと記憶しておりますが、参考値程度に…。平均値を合計したこと自体も、今振り返ると謎なのですが。)

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    病棟別の単位数は直接的な経営計算になりそうですが、結局患者さんあたりの単位数次第なので、実患者数で計算した方が確実のように思います。

    ③病床稼働率との比較

    おまけですが、病床稼働率をPFMの方か医事課の方が出していれば、年間の病院の病床稼働率とリハの病床稼働率を比較することが出来ます。もちろん、病床稼働率に付随するのは当然かもしれませんが、意外とリハビリは稼働率を維持できている、とか、病床稼働率が落ちているからリハもなのかな?と肌で感じていても実際の数値で見てみないと分からないこともあります。

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    グラフで比べると分かりやすいと思います。実際に算出してみたとき、「やっぱりそうだ」や、「院内の稼働率は高いのにリハは低い」といった傾向に気づくことが出来るので、さらに原因追及を他の側面からとりかかるきっかけにもなります。

     

    今回もお疲れ様でした。

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