• 入稿時にオーバープリントはかけるの?かけないの?

    2023/01/15
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  • 印刷業界のグレーな問題

    PDF入稿時のアウトライン問題と同じく、オーバープリントも白黒はっきりしない問題だそうです。

    先日、入稿時に「オーバープリントはかけるように」とご指摘を受け、それまでオーバープリントはかけたことがなかったので、質問・問題定義してみたところ、印刷会社さんにお尋ねする必要も出てきて、少し社内をざわつかせてしまいました。。

     

    オーバープリントに関しては、基本的に印刷会社さん側で設定を削除することが多いようです。というのは、K100%について、自動でスミノセにしているから。大手の印刷会社さんの設定を見てみました。

     

    プリントパックさんでは、設定しないように注意書きがあり、クイックデータチェックでも削除されます。また、スミノセにしているため、自動でオーバープリントにされているようです。

    www.printpac.co.jp/contents/technicalguide/illustrator.html#overprint

    (↑リンクが貼り付けられないので、テキストになっています。)

     

    ラクスルさんでは「不要なオーバープリントのチェックは外してください」ということで、必要な箇所の設定はOKのようです。スミノセについての表記はみつからなかったので、K100%のオブジェクトを重ねるときは注意が必要そうです。

     

    Graphicさんでも設定は基本外すように注意喚起されております。基本、スミノセだそうなので、不要ですね。

     

    バンフーさんでは、入稿時の指定は見当たりませんでしたが、オフセット印刷の場合は自動でオーバープリントをかけるそうです。

     

    ウェーブさんでは、オーバープリントの設定は全て削除され、スミノセになる旨が注意書きされていました。設定してもしなくても、自動削除、潔く分かりやすいです。

     

    上記、ネット印刷会社さんでは、基本的に印刷会社さん側でオーバープリントを削除し、スミノセにすることが多いようです。ただ、ラクスルさんのように、会社によって削除しない場合もあるので、やはり「会社によって異なる」ということが分かりました。

     

    黒のオーバープリント設定について – Adobe Support Community

    オーバープリントは版ズレ回避のため…それでもリスクがつきもの

    実際、自社の営業さんがいくつかの印刷会社さんへ確認してみると、削除する/しない会社さんがあり、まちまちなようでした。その理由としては、「削除することによる印刷結果の責任」があるようで、それも納得です。

     

    データに忠実に印刷するのであれば、オーバープリントを削除=設定を変更する、という印刷会社側の一手間が加わることで、制作側との違いを生み出してしまいます。

    印刷会社側でオーバープリントを削除する場合

    • メリット:事故が少なく綺麗な仕上がり(版ズレがない)。
    • デメリット:スミノセによるK100%の透過。

     

    制作側では、版ズレを回避するためにオーバープリントをかけるものの、全ての印刷データが完全ではありません。

    例えば、白いオブジェクトにオーバープリントがかかっていていたりすることもあります。そんなデータが来て、やりとりをする手間とリスクを、特に大手の会社さんでは避けるため、事前に自動処理してしまっていると思われます。

     

    データのうっかりミスを減らすために印刷会社側で一括に処理してもらったほうが、基本的には安全で綺麗な仕上がりになります。ただし、これはスミノセが前提となるため、K100%のオブジェクトを重ねている場合、下に配置されている画像などが透けて見えてしまうので、要注意です。

    overprint

     

    印刷会社側でオーバープリントを削除しない場合

    • メリット:データに忠実となる。万が一の場合も、印刷会社側の責任問題になりにくい。
    • デメリット:制作側のレベルにより、クレームや再印刷など、いろいろな問題が起こる可能性がある。

     

    印刷会社さんで処理することがない場合、制作側のデータの作りが重要になります。

    オーバープリントをかけていなければ、文字の版ズレは起こるでしょうし、うっかりかけてはいけないところにかかってしまい、初心者レベルの制作者ならクレームをつけてくるかもしれないですし、再印刷が必要になるでしょう。。印刷会社側ではえらい迷惑な話です。再印刷だけならお金はいただけますが、地球環境的にはゴミが出るだけでよくないです。

     

    個人的にも、そういったことにならぬよう、オーバープリントはかけずに数年過ごしてきました。。特に流用データなど、自ら作っていないデータなど、気付かぬところでかかっていたりするため、そのままコピペで色変更などをした時など、恐ろしいです。

    入稿時のオーバープリントの対策

    1. 制作開始時/終了時にオーバープリント設定を削除する
    2. オーバープリントプレビューを必ず行う
    3. 入稿先のオーバープリントの注意事項を必ず確認する
    4. スミノセについても確認する
    5. K100%のオブジェクトを重ねる場合は、リッチブラックな感じで他の色を少し入れておく
    6. 入稿時の仕様書にオーバープリントについて明記する

    ということが必要そうです。アウトライン以上に、印刷会社さんの指定がまちまちなので、こちらは注意が必要ですね。

     

    一括でオーバープリントを適用/削除する場合は、イラレの場合は「編集」→「カラーを編集」→「オーバープリントブラック」から、基本削除するかブラックに適用するかだけにしたほうがよろしいかと思います。オプションもありますが、よほどの場合かと思われます。

    overprint02

     

    InDesignの場合は、環境設定で一括かけるか/かけないかとなっており、デフォルトではオーバープリントになっているようです。オーバープリントプレビューはイラレほどクリアに見えないので、目視よりデータが優先のようです。。

    この時点で疑問なのは、InDesignの入稿はオーバープリントがかかっているという、イラレとは逆の点(イラレはオーバープリントはデフォルトではない、またはネット印刷会社ではかけない設定)。制作アプリでもまちまちなので、困惑します。

    overprint03

     

     

    また、InDesignの優秀な点は、白いオブジェクトにはオーバープリント設定ができないようになっていました。イラレもそうしてくれるといいのになぁ。

    overprint04

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