• 総合診療の必要性

    2020/12/13
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  • 専門分野のたらい回し

    毎度勉強になる仰天ニュースで、大変痛ましい体験だった。

    結論から言うと、筋・筋膜性の歯の痛み。まだ筋膜というワードが健康の話題で上がっている中で、衝撃的な結果だったように思う。そういうこともある、という考え方の一つとして認識して欲しいなぁと思ったのは、今後何かにつけて「筋・筋膜性」とか言っちゃうようになるのは、「歳のせいだから」と同じように、原因がわからない表現の一つにならないで欲しいと思う。筋・筋膜性は治療すれば改善するものなので、便利な言葉ではない。

     

    そうではなく、この女性が体験した、治療に向き合っても治せない、診断できない現状に驚いた。歯が痛いから、当然歯医者に行く。歯を抜いても治らない、そしてその後も2本抜き、それでも治らない。その時点で歯ではないだろうし、抜いた歯は戻らないため、「悪そうだから抜いてみる」治療の恐ろしさ。整形でレントゲンを撮り、心療内科に行けば「心が原因」と言われる、よくある原因不明のコース。こんなに治療に努力しているのに、分からないことが悔しいだろうし、大変だったと思う。5年間も。

     

    また、歯科でよく耳にするのは、「終わらない治療」。治ったら次はどこが悪いから、治した方がいい。ちょっと強迫的な気がする。他の診療科ではあまり聞かないその定型文。そういう意味でも、歯科自体が一般的な医療と違って特殊な気がする。

    日本での総合診療はどうなのか

    日本の医療は診療科が分類されている、スペシャリストの制度。原因が明らかなものには効果的だけれど、その原因追及が弱いのも弱点。今回のようなケースで、たらい回しになっている人は多い。

    一方で総合診療のジェネラリスト。個人的には医療の精度をあげるなら、入口となる最初の診断にもっと重点を置いて欲しいなぁと思う。数年経っても未だ大きく変化はない。

    参考程度だけれど、総合診療医もさることながら、リハ医はもっと少ないんだなぁと笑。個人的に関心がある、病理医や救急も、人気がないらしい。なんで内科はこんなに多いのか不思議。

    総合診療に特化した番組もあったり、Drコトーのような、地域医療でも総合診療の能力が求められる、そういう番組もたくさんあるけれど、あまり関心は持たれないのだろうか。残念。

     

    NHKのドクターGはとても勉強になった。やはりジェネラリストじゃないと気づかない判断など、リハビリ分野においても、思い込みや決めつけの向き合い方では、原因にたどり着けない。

    民放のドラマで総合診療といえば、という番組でこちらも勉強になった。やっぱり視点が違うなぁと印象的だった。

    話は違うけれど、病理医の仕事をテレビで学ぶ。もちろん、この通りではないでしょうけども、病理の大事さがとてもよく分かった。

    同じ流れで放射線科医のお仕事。病理医と同じく、診断専門で患者と向き合うことは少ないけれど、とても大事な診断に特化したお仕事。

     

    救命医のドラマは数え切れないくらいあるので、それはそれで大変だし、緊急の対応は毎度息を飲んでしまう。ただ、実際はもっと大変で過酷と思われる。病院で「待つ」医療と、現場に向かう医療では、環境や状況がまるで違う。

    今後、少子化や経済的な理由から、医師を目指す人も少なくなるのではないだろうか、と思って検索してみたら、将来の医師人口のピラミッドではそうでもないらしい。

    今より高齢の医師が増えるらしいことと、意外と若い世代の人数は変わらないピラミッド。うーんピンと来ないけれど、それはそれでよいと思う。

    総合診療医の制度自体が新しいので、今後に期待。そして、病院のたらい回し難民が減ることを願う(しか出来ない)。個人でできるとしたら、やはり病気などにかからない、予防医学。健康維持に徹したい。

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